彼女は夫のDVに耐えかね、彼が暴れた後で酔って眠っている深夜、県外に逃げました。たくさんのノートを持って。
そこに書かれていたのは夫にされたことの全てでした。
やがて夫はまゆらの加害者プログラムに通うようになり4年が経ちました。
このたび彼女は夫にプログラムをやめていいと伝え、まゆらに以下のように手紙を寄せてくださいました。
以下は彼女の許可を得て紹介するものです。
——————————————————————————–
田仲さん、このたび私は夫の退会を希望します。
今の夫は人に自慢できるパートナーになりました。
なので、今まで加害者プログラムに通っていた時間は家族の時間として使いたいと思います。
私は田仲さんに、辛い時には頻繁にメールを送り、そしてそれに対して助言や励ましや気づきをもらいました。
田仲さんがおっしゃるように彼のDVは消えないでしょうし、私も昔のDVがフラッシュバックしてしまう時もありながら、とても落ち着いていられます。
今、おなかに赤ちゃんがいます。
夫と話し合って希望し授かることができました。性別は聞かず、夫とふたりで産まれるまで楽しみにしています。
家出をした時こんな未来になるなんて思ってもいませんでした。
加害者であるパートナーと新しく家庭を築き直すことができるなんて…。
同居して2年になり、夫は家事もするし、つわり中のケア、出産準備、すべて頼りになる存在です。
そして私との一緒の時間に感謝していると言います。
こんなことはかつての彼ではとても考えられなかったことです。
これから子育てをし、子が成人してまた二人だけになり、老後を送り墓場に入るまで一生のパートナーとして添い遂げられるかな…。
その中にはうまくいかない時もあるでしょう。
でも今までとは違うので乗り越えていけると思います。
夫が退会してもまたご連絡を差し上げますのでよろしくお願いいたします。
私は、ずっと欲しかった安心できる今の日々が愛しいです。
本当にありがとうございました。